てるめめブログ

映画の感想、そして仕事を通じて感じる「組織」の異常さを自分なりの目線で書いていきます。

「総合職」という曖昧な募集要項は企業側、応募側にとってメリットのあるものかもしれない

リクナビなどの新卒採用ウェブサイトを見てると、募集要項にかならず「総合職」という記載を見ることが出来ます。仕事内容を見ると、「営業、広報、マーケティング、人事、経理など幅広く複数の職種を担っていただきます」と記載されていることが多かったと思います。

 

逆に言うと、自分が何をやるのか、自分はどこで働くのか、が分からない状態で入社することになります。就職活動を通じて自分のことをいくらアピールしても、入社後の配属決定時まで自分が何をやるのか分からず過ごすわけです。やりたいことがあるから就職する、というよりその組織に入りたいという欲求を実現するため、就社するために活動しているようなものだと思います。

 

確かに、企業側が即戦力として新卒の社員を扱うことは少ないです。何も知らない状態で入社してもらい、社内教育やOJTを通じて徐々に育てていくというのが日本の新卒一括採用事情です。だから、入社時に何を担ってもらうかなんて考えられないというのが本音でしょう。

 

ただ、雇用契約を結ぶ段階で「何をするのか」「どこで働くのか」が分からないのにもかかわらず就職しなければならない現状はどうかと思います。しかし、明らかに学生側の立場は弱いので、うやむやな募集要項であっても文句は言えないわけです。私自身も新卒で就職した企業では、入社前に何を担当するのか明言されず、入社後1ヶ月してから職種と勤務地を一方的に告げられました。

 

ここで考え方を変えてみます。こういった採用が受け入れられている現状があるかどうかを考えると、決して無いとは言えないからです。学生側からすると、自分がどのような職種に適性があるか、何をやることがベストなのだろうかなんて分からないわけです。だから、企業側から一方的にやることを告げられる方が良いのかなとも思います。そういう意味で「総合職」という何でもやってもらいますよ的な募集の方がエントリーしやすいのかもしれません。

 

何が何でも入社したい応募者、そして適性が分からないけど色々やってもらいたいと思っている企業側。双方の言い分を上手く吸い上げることが出来る総合職という募集手段。ネガティブなイメージを持っていたのですが、ある意味合理的で使いやすいものだったんだなぁと改めて実感しました。