てるめめブログ

映画の感想、そして仕事を通じて感じる「組織」の異常さを自分なりの目線で書いていきます。

【映】空の青さを知る人よ ~30代のオトナの恋物語~

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いやぁー、すごい良かった。全編爽やかで爽快で軽やかに駆け出したくなる気持ちの良い作品でした。キャラクターたちも主人公たちも秩父という見慣れた風景も、この小さな世界観の中でもがき悩む若人と大人たちに絶妙に合っていて、それがまた新しい面白さを生み出していく、、、なんか感動しました。

「大人になるってこういうことだよね?」という諦めを爽快に全力で吹き飛ばす勢いのあるこの作品、最高です!




1.ストーリー

高校を卒業後東京へミュージシャンになるために出ていった主人公の姉の恋人が、市の事業の一環で東京から呼んだ著名な歌手バックバンドとして戻ってくるという序盤。

そんな若干冴えないミュージシャンである慎之介、主人公の姉、早くこんな田舎から出たいと夢見る主人公のあおい、そしてそんなあおいの前に突如現れた高校生の姿をした慎之介の4人が物語を紡いでいきます。

ストーリーは、なんというか夢や希望、悩みや苛立ち、諦め、やさぐれ、といった高校生の根拠のない無駄なポジティブさと、現実を知り大人になるってことは何かを諦めることなんだというネガティブさが折り混ざるこの青春模様が面白いんです。

大人の慎之介と18歳の慎之介の衝突やそんな姿のままあかねと再会する慎之介の淡い恋模様の復活などなど、時間を超えて恋と夢を再確認しそれぞれ新しい道へと動き出していく終盤は心も体も震えるほど感動が止まりませんでした。


2.キャラクター

主人公はあおいちゃん。ショートヘアでムスッとしている高校生の女の子。いやー、この子が可愛いんです。姉のことが大好きで、でも頼りっきりで迷惑ばかりかけてると思い込み、そんな姉の足枷にはなりたくないと思い東京へ行くことを決意する真っ直ぐさ。いじらしくて可愛いですね~

そんなあおいちゃんの前に現れる高校生の姿をした慎之介はとにかく元気で前向きでカッコいい。13年ぶりにバックバンドとして戻ってくる慎之介の陰気臭さとすごい対比になっていて、でもどちらもカッコいいことには変わりなくて。なんというか夢見る少年と夢敗れる大人っていう現実的すぎるエグさを一人の男で表現する旨さってすごいなと思いました。

そんな慎之介の元恋人であるあおいの姉のあかねもとにかく可愛い。高校時代からもう大人であることを強いられてきた精神的な強さが儚いくらい美しい。その笑顔の裏にある悲痛な悲しみがときおり垣間見えるのが辛くも可愛かったです。


3.前作や前々作のような感動は?

あの花のような強烈な号泣や、ここさけのような青春を全身めがけてぶつけてくる若さとはまた違った感動って感じです。夢破れたけど再会してまだ俺はやれる!と夢に向かって歩みだす男、そんな男の隣にいる女、みたいな大人の関係を若者たちが全速力で応援するような感動です。

なので、なんというか「30代の大人の恋物語」っていうのがこの作品の中心だと思いました。私も30代なのでまさにこの映画のメッセージがダイレクトに伝わってくるので、それがもう心に染みまくって染みまくって、そりゃ体も心も震えますよね、って感じです。


4.おすすめ度は?

あの花やここさけが好きな人は是非観に行ってほしいです!いきなりあの花でも出てきた秩父の橋が出てきたり秩父市役所が出てきたり。

そういや3年前くらいかな?秩父市役所の前にある広場でここさけイベントが開催されたんですよ。大きなステージにたくさんの客席、8月のジリジリ照らす太陽・・・そんなあの日のことを思い出すような場面もあり、なんかジーンとしちゃいました。

なので、超平和バスターズの作品を見たことがある人には全力でおすすめしたいです。観たことがない人でも別に前の作品を知らないと楽しめないシーンは無いので安心して楽しめると思います。

ぜひこの感動を大きなスクリーンで体験してみてください!





【メーカー特典あり】 空の青さを知る人よ (A5クリアファイル付)

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小説 空の青さを知る人よ (角川文庫)

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「空の青さを知る人よ」オリジナルサウンドトラック

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