大企業の負の現状
私は、それなりに規模が大きく、旧態依然とした硬さの残る組織で働いています。こんな組織の中で主張されもてはやされる働きかたっていうのが4つあります。
1.残業をたくさんしてる奴が偉い & デキるやつ
2.非合理的な仕事でも、後輩に自分が苦しんだ非合理さを感じさせたいから見直さない
3.改善すべき点を指摘すると、自分の仕事が増えるので誰も声をあげない
4.上司は、部下の教育のため夜遅くまで仕事をさせる、という考え方を持っている
全部が全部ではないですが、大きくて硬い日本企業に勤めて務めている友人に聞いたところ、ほぼ間違いではないという話を聞きました。
1番について →「残業をたくさんしてる奴が偉い & デキるやつ」
ある意味自分の努力ではどうしようもできないことです。周りの意識や人事評価者の評価基準がこうなってしまっている場合は最悪です。特に人事評価者の評価基準(ほぼ主観)がこんなものであれば救いようが無いですね。この場合は、判明した瞬間に転職を考えるべきです。ここでは「残業をする人=仕事ができない人」というある意味正しい等式はこの組織では成り立ちません。自分自身がこの状況を楽しめない、また早く帰りたい、と常に考えているのであれば、今勤務している組織はあなたがいるべき組織ではありません。
次に2番目 →「非合理的な仕事でも、後輩に自分が苦しんだ非合理さを感じさせたいから見直さない」
これはある程度何とかできる可能性があります。今のやり方よりも効果的で合理的な方法をまとめて上司に提案するなりして話しあう場を作ることが出来ればなんとななると思います。。。と綺麗事を書いていますが、実際はこんなにうまくいく可能性は皆無です。なぜなら、人は自分の考えにある程度信念や偏った自信、復讐心等を持っている場合は、その考えを改めることをかたくなに拒む傾向があります。宗教と同じかもしれません。
大きな組織の場合は改善しなくても業務をある程度こなすことが可能です。また、業績にもそこまで影響がないという現状があります。そんなわけで、こんな人が多くなってしまうんですね。
そして3番目 →「改善すべき点を指摘すると、自分の仕事が増えるので誰も声をあげない」
上記の続きですが、それでも改善したいと主張した場合は自分にしわ寄せが来ます。どういうことか。それは、改善はお前がやれ、と仕事が増えてしまうんですね。だから改善への声が出にくいんです。上司が怖い、声を出せる雰囲気がない、というのもあるとは思いますが、仕事を今以上に増やしたくない一心で何も主張できないという状況が生み出されるわけです。
最後4つ目 →「上司は、部下の教育のため夜遅くまで仕事をさせる、という考え方を持っている」
これは悲惨です。自分もそのような上司の下で働いていた時期もあります。この場合は本当にまずいです。いくら頑張って改善して仕事を効率的にこなしていても、上司が早く帰ることを否定するのですから、仕事があろうがなかろうが帰ることを許さない状況を作りだされます。ストレスが増え自分の時間が減る。どうしようもできない。若者の早期退職もこんな所に原因があるのかもしれません。
ここまでの話。フィクションに思えますか? ここまでの話はすべて現実です。就職活動の時に企業説明会等で聞いた話とずいぶん違う光景が広がっています。また、このようなことは質問しても絶対に表に上がってくることはありません。唯一このような組織の中身を知る方法は「組織に入ること」しか無いのが悲しいものです。
毎年行われる 「新卒採用」 という企業側に大きなメリットのある儀式めいた行事の枠の中では、このような状況と職を求める学生との間にあるギャップは埋めることができません。働きやすい社会、組織を作りたい。私が社労士の資格を取ろうと考えているのも、こんな所に理由の1つがあったりします。一番大事なのは「効率的、合理的に働き早く帰る」という目標をたくさんの人が持ってくれることだと思ってますけどね。
- 作者: 大谷義武
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/09/19
- メディア: 単行本
- クリック: 13回
- この商品を含むブログを見る