【映】るろうに剣心 伝説の最期編 ~「流浪人 VS 包帯男」というタイトルなら良かったかも~
※ネタバレあり
この映画はるろうに剣心ではなく「流浪人 VS 包帯男」というタイトルなら良かったかもしれません。原作無しの「サムライニンジャチャンバラアクション」としての映画であればもう少し楽しめたと思います。
この映画の唯一の失敗点を挙げると、この作品が「るろうに剣心」だったことでしょう。私的には原作に忠実であろうがなかろうが映画自体が面白ければそれで構わないというスタンスです。でもこの映画は原作と違う云々ではなく、時代劇として見ても失笑モノの滑稽な演出ばかりが繋がっている気持ち悪さを強く感じるものでした。途中で何度も帰ろうと思ったほどです。いやー、本当に「るろうに剣心」ではない映画だったら良かったんですけどね。
こんなに映画の長さを不快に感じるのも久しぶりです。いや、前作の京都大火編もかなり不快だったからそんなに久しぶりではありませんが・・・
内容についていうと、冒頭から中盤にかけての修行シーンは非常に良かったと思います。市井を離れ奥義獲得のための修行に打ち込む剣心の想いや師匠のそれに対する対応などなど、見ているものの心にグッと訴えてくる強いメッセージ性を感じました。
良かったのはその程度で、物語後半に出てくる公開処刑シーンのあとに志々雄一派に反撃する場面にて着物を着ていた斎藤がいつの間にか警官の服に着替えていたのがちょっと違和感でした。この後に剣心と佐之助が志々雄の乗る戦艦へ小舟で乗り込むのですが、敵からの何の抵抗もなくすんなり船に乗艦できたことも違和感でしたね。
とにかく違和感をかなり感じる映画です。最後の志々雄真との対決シーンも剣心と志々雄の一騎打ちかと思いきや唐突に現れた斎藤一、さらには四乃森蒼紫も出てきて「なんでお前ここにいるの!?」と吹き出しそうになりました。ホント、ご都合主義的な演出が滑稽すぎて失笑ものですね。
また全体的なことを言うと、ストーリーが詰まっていて話が唐突に素早く移っていくので、キャラクターの心情や舞台背景の説明などがかなり薄っぺらくなっている感は否めません。前編後編といった2部構成にするのではなく上中下の3部構成にすべきだったとも思います。もう少し丁寧にキャラクターたちを深く描き、さらに志々雄の部下たちの見せ場も多少作ってあげれば原作に近づけたように思います。
うーん、前作の京都大火編が面白くなさすぎた分、後編に面白さが固まっているんだと信じて期待し見に行ったのですが、結果は大ハズレの激しく面白くなさすぎる映画でした。やっぱり、アニメやマンガは実写化してはダメですね。
P.S
この映画の中で最も面白かったのは、映画本編が始まる前の予告編で流れていた「ドラキュラZERO」のPVです。この映画本当に面白そう! つまりるろうに剣心本編の中に面白い部分は一切なかったってことです・・・
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