【フ】冴えない彼女の育てかた1 ~キャラは大好きだけど情景描写やキャラクター表現が足りないと思う~
感想を端的に言うと、キャラクターは好きだけどストーリーは微妙といったところ。なんというか、筆者がゲームのシナリオライターだけあってトントン拍子にストーリーが進んでいくさまは読んでいて爽快だしキャラクターの設定も魅力的なのでサクサク読める。内容もありがちなライトノベルとは一線を画す展開で、ド級のオタク主人公と周りに集う美少女たちのラブコメかと思いきや、ゲームを作る同人サークル活動がメインのお話だったのが新鮮で面白い! ただ、それら物語を紡ぐ文章が微妙に足りないせいか深みがなく面白さが半減しているのも事実かと。
ゲームのテキストとして作られたのであればかなりよく出来た文章だと思います。けど、ライトノベルはゲームと違って文章とほんの少しの挿絵だけで構成されるので、文章を読んで場面を想像できるような作りにしないとダメなんじゃないかなって感じるんです。だからある意味このラノベは読みづらい。ここで言う「読みづらい」の意味は「場面を頭に思い描きにくいのでストーリーがわかりづらい」という意味。ラノベ初心者にはおすすめできないかなぁ。
でも、キャラクターたちはみんな魅力的。ド級のオタクである主人公の倫也はありがちなラノベの主人公みたいに女の子と恋愛して仲良くなっていく、というキャラではなく3次元に興味を持たず自分の目標や趣味のために全力を尽くす男。かっこいいんです。
また1巻で出てくるヒロイン3人のうち一番好きなのが加藤恵。地味で目立たないステルス系女子だけど、妙に冷めているというか倫也のオタク的指令に若干引きつつも淡々と引き受けていく様とか面白いですね。それに、目立たないけど可愛いってところもなんかグッときます。自己主張が激しいヒロインや妙にキャラ付けされているヒロイン(ツンデレ、ヤンデレ、無口、男まさり等々)には飽き飽きしていたので余計に恵にはハマっちゃったんですね。
他2名のヒロインはまさにありがちなキャラ。金髪ツンデレお嬢様とドS黒髪ロングで身長高めの先輩。適当にラノベを手にとって中を見ると大抵こういうキャラっていますよね。だから特に目新しさを感じるものではありませんでした。でもラノベにはこういうキャラも必要であるのは事実。ただひとつ違うのは二人とも「オタク」ってことだけでしょうか。まぁ、恵を際立たせる脇役ヒロインとして私は見てますのでこういうのもありかなとは思っています。
とまぁこんなキャラクターたちが倫也の口車に乗せられてサークルを作りゲームを作るんだ!という話が1巻です。結構微妙っぽく書いてきましたが個人的には好きです。独特のストーリーだし主人公である男性キャラに魅力があるってのも結構面白いポイントですね。今丁度アニメもやってますし、コミカライズも幅広く行われているのでこのコンテンツを色々と楽しんでみてもいいんじゃないでしょうか。
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