てるめめブログ

映画の感想、そして仕事を通じて感じる「組織」の異常さを自分なりの目線で書いていきます。

京都とカフェの雰囲気がとても心地良く描かれている小説 ~珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を~

 

連休はふらっと本屋に出かけ、直感的に良いなって思った小説を買って読むのが結構好きなんです。そんな今回の3連休初日に購入した小説がこれ。雰囲気がとても良く、さらにカフェや京都が大好きな私としては、作品自体の空気感に惚れました。大学も京都に本校がありましたし、京都のカフェ巡りなんてこともしたことがあります。東京や大阪と違って京都のカフェは奥ゆかしいというか、歴史や文化と上手く融合している情緒を感じるんですよね。だから好きなわけです。

 

とまぁそういうことは置いといて作品の感想ですが、あまり名作と呼ばれるミステリーを読んだことが無いのでなんとも言えませんがライトノベルとしては結構面白かったです。肩の力を抜いて気楽にサッと読めてしまえるところに面白さがあると思います。

 

この小説は短篇集でそれぞれの話にちょっとした謎があり、主人公であるバリスタの女性がそれを解決していくという構成。謎も、別に人が死ぬとか大金が強奪されるとか大きなものではなく、日常生活の隙間に起こりうるちょっとした疑問を推理という切り口で解き明かしていこうという話ですね。個人的にはこれくらい「ぬるい」話がとても心地良かったです。

 

ただ、惜しむらくは中途半端さです。ミステリー要素と恋愛要素がどちらも中途半端に描かれているため、なんか読んでいても物足りなさを感じてしまいます。まぁ、焦らされていると思えば面白いのかもしれませんが。

 

この小説の好きなところは、京都という雰囲気とカフェという落ち着いた空気感なので、この辺りをもっと上手く活用していただき恋愛要素をもっと深く描いて欲しいと思っています。個人的にはかなり期待している小説なので、今後の展開を応援したいと思います。