てるめめブログ

映画の感想、そして仕事を通じて感じる「組織」の異常さを自分なりの目線で書いていきます。

【映】空の境界 第三章 痛覚残留 ~主人公は間桐桜のモデル~


第一章、第二章にもたくさん血が出る描写が出てきました。高いところから落ちたり鋭利な刃物で斬られたり。そんな激しい描写と空の境界の世界観特有のやや難しい物語展開が絡み合うところが面白い作品なんだと思います。


ただ、第三章はいきなり妹の同級生が無理やり犯されているシーンから物語が始まります。そんな悲劇の少女浅上藤乃が第三章の主人公。犯されるだけでなく暴力まで振られた藤乃が目覚めた能力を使い復讐するというのが大まかなストーリー。


陵辱シーンの暗くて薄汚い場面や、浅上藤乃の「歪曲」能力によるややグロテスクな描写が続く映画なので、好き嫌いがかなり分かれる作品だと思います。不良の体を「歪曲」能力で捻じ曲げ殺すシーン、そんな不良たちを徐々に追い詰めていく描写はダークで恐ろしい。


そんな今作は、原作を読んでいてもかなり生々しいエグさが際立っている内容なので、どうやって映像化するんだろう、どうやってある程度多くの方に受け入れてもらえるアニメにするんだろうって観る前は思っていました。しかし、エグいところだけでなく最後の橋での式と藤乃の対決シーンまでしっかりと描ききってくれたのが非常に良かったですね。


一番の見所は最後の「橋」でのバトルでしょう。空間を捻じ曲げる「歪曲」の能力を直死の魔眼を使い斬っていく式。そして最後は橋までも曲げてしまうダイナミックな描写は大迫力。でも爽快感の全く無い物悲しい場面でもあります。ホント、空の境界の中でも好き嫌いが分かれる作品でしょうね。


ただ、空の境界はどちらかというと残酷な描写が比較的多い作品なので、個人的には中途半端にアニメ化してほしくないって思っていました、でも七章構成で物語をストーリーごとに分け、ダークさ、残酷さ、血…といった描写を真正面から描いてくれているので、原作ファンとしては大満足です。


ということで、ダークで残酷でグロテスクだけどとても重要な第三章、個人的にはかなりオススメです。



※ちなみに、当作の主人公浅上藤乃は『Fate/stay night』の間桐桜のモデルみたいです。確かに一見おしとやかな美人だけど淡々と追い込んでいくヤンデレさは桜に通じるものがあります。そういう見方で当作を観るのも楽しいかもしれません。


tel-01.hateblo.jp
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空の境界 全3冊合本版 (講談社文庫)

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