映画大好きTEL's room.com

映画の感想、そして仕事を通じて感じる「組織」の異常さを自分なりの目線で書いていきます。

【映】アクアマン ~金持ちの道楽映画~

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ただ長いだけのB級映画でした。ストーリーの無さを映像表現でごまかした金をかけて強引に楽しませる金持ちの道楽映画です。なんで世界で1000億突破といったニュースが出るほど流行ってるんだろ?

1.ストーリーについて

小学生向けのアニメを金をかけて超大作実写映画にしましたという感じです。内容は、海底人と地上人との間に生まれた子が大きくなり、海底の国や地上の危機を解決するために立ち向かうというよくあるお話です。


そんなストーリーの中に、母を殺された恨みだったり、海底にある国同士の闘いから地上制圧に向けた動きなどやや複雑な場面が入り乱れます。


主人公のアクアマンであるアーサーが海底の国々を治めるには、アトランティス王の残した伝説の武器(三股の槍)を手にする必要があるということで、海底の国からサハラ砂漠(元々海だった)やイタリアなどを縦横無尽に巡って手がかりを探すんだけど、途中途中で追手や新たな敵と遭遇し街の迷惑顧みずド派手な破壊アクションを繰り広げます。


結構細かな説明を省きつつどんどん物語が進むんですが、これは非常に良かったですね。だらだらつまらないシーンを挟み込まれるよりも、さっさとド派手な本編を進めてもらったほうが楽しい映画だったので。


なので、砂漠からイタリアへどうやって行ったの?とか、イタリアを明らかに未来的な兵器を使って破壊しまくって大丈夫?とか、そもそもニュースで「アクアマンが助けた~」みたいに流されてるけどそういう世界観なの?とか、そういう疑問は置いといて本能のままに愉しめばいい、そんな映画です。


最後はお決まりのハッピーエンドで締められます。ま、そうだろなぁと皆さんも思うんじゃないでしょうか。そんなこの映画は2時間半くらいあったのですが、やたら長い中に上下左右ぐるぐる回るカメラワークと激しいアクション満載なので結構酔います。私は途中で席を立って外に出て体を落ち着かせないと駄目なくらい酔ってしまいました。お気をつけて。


2.キャラクターや世界観について

アクアマンことアーサーは見た目は強面だし上半身入れ墨だらけなんですが、根は優しいし愛嬌もあるナイスガイ。ヒロインのメラ王女は目標に向かって突き進む強引さはあれど国を思う気持ちは人一倍。そんな二人が中心となって物語が進んでいきます。


ときに衝突したり助け合いながら苦難を乗り越え、最後はお互い何故か愛し合ってるというこちらもお決まりパターンでした。


また海底にいる人達はなんというか「マイティ・ソー」に出てくるアスガルドにいる人達って感じです。海底世界はまさにアスガルド。もっと言うと、技術レベルがかなり発達した未来都市アスガルド。海底に出入国管制や砲撃システムを完備した地上よりも遥かに進んだ国があるんですよ。


彼らなら地上をあっという間に制圧できるんじゃね?って思えるほどの戦力差にアクアマン一人が立ち向かう漫画のような展開は決して呆れてはいけません。楽しんだもの勝ちです。


3.映像表現について

これはさすがのDC映画ですよ。日本の漫画実写化作品のショボさとは比べ物にならないほどの映像表現は素晴らしい。海の中で泳ぎ回るシーンは「どうやって撮ったの!?」って思うほどリアルな出来。海底人っているんじゃない?って思えるくらいの完成度でした。


また、海底中のマンタやサメといった魚たちが勢揃いし突進する場面はど迫力! 大きな魚の背に乗り戦う戦士たちや宇宙船のような機体に乗ってビームを撃ちまくり爆発し燃え上がる海底での戦闘シーンはもはや宇宙戦争


スピードが早すぎて目で負えないくらいの激しい戦闘シーンは見応え抜群ですがやっぱり酔いますね。私は酔いました。



とまぁ、色々書いてきましたが、ストーリーが微妙なところを金をかけた凄まじい映像表現で強引に楽しませようとしている大作です。激しいアクションシーンは見応え抜群なので、ストーリーではなくエンタメ映画として楽しみたい方には超オススメです。


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アクアマン [Explicit]

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【映】メリー・ポピンズ リターンズ ~新作ではなく「リメイク」にしてほしかった~

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前作と比較すると、、、といった野暮なことは言いません(言いたいけど)。誰もが笑顔になれる素敵な映画でした。そんな「雰囲気」は良かった映画です。「雰囲気」だけは良かったなぁ。





※ちょっとネタバレあります。





<目次>

1.ストーリーについて

バンクス家の不幸な状況下に突如舞い降りるメリー・ポピンズ。昔メリー・ポピンズに不思議な魔法の世界に連れて行ってもらったことはすっかり忘れ、夢を見れない大人になった2人と再会します。


今回も同じく子どもたちのお世話を強引に引き受け、躾以上に大切なことをまたもや強引に魅せていきます。始めは夢や希望を失っていた子どもたち。しかし、お風呂に潜って海底を泳いだり、陶器の柄の世界へ飛び立ち素敵なメリー・ポピンズのショーを楽しんだり、気がつけば私たちも童心を取り戻していく感覚を全力で楽しんでいました。


街灯の維持をする火の番人たちと霧がかかった暗いロンドンの街中を上や下へと歌って踊ってはしゃぐダイナミックなダンスシーンは見応え抜群!前作の煙突掃除を彷彿とさせられました。誰一人悲観的な人はいない、希望と夢に溢れた笑顔だけがスクリーンに映っていました。


最後はコリン・ファース演じる銀行頭取の悪事をこれまた前作の印象的な場面を重ねて一掃する爽快さ。この場面はぜひ映画館で観てほしいですね。


2.前作との比較

やっぱり前作と比較させてください! なんというか全体的に展開が早すぎるかなぁと思いました。前作は丁寧に物語を進めていたしミュージカルもじっくりと楽しませてくれたと思います。しかし今作は一つ一つのミュージカルシーンが記憶に残っていないんですよね。


曲も記憶に残るものが無い。「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」とか「チム・チム・チェリー」のような印象的な曲は今回無かったんじゃないかな。ストーリーもミュージカルも曲も微妙。


途中、陶器の修理を出しに行ったお店が前作で言うところの「笑ったら浮いちゃう場面」なのかなぁと思いつつも、そのシーンは「とりあえずメリル・ストリープ出したいから追加しました」的なシーンだったのでちょっと残念。CGやデジタル技術ばかり良くなったけど、芯の部分であるストーリーやミュージカル、曲がこうも駄目だと思い出が汚れちゃいますよね。


はっきり言って、新しい物語にするのではなく「リメイク」にしてほしかったです。



3.キャラクターたち
マイケル(父)の銀行マンという設定は良いとしても画家といった設定はほぼ活かされず、過去のメリー・ポピンズとの思い出もあまり語られず終わってしまいました。ストーリーが弱いんですよ。そもそもメリー・ポピンズと子どもたちや大人たちとの絡みが少ない。


そしてメリー・ポピンズの魔法使いっぽい場面が少なくて残念でした。私が大人になってしまったせいで面白さを感じられなくなっているのかも知れませんが、前作の方がまだ愉快でちょっと強気な魔法使い風のメリー・ポピンズというキャラが立っていたと思います。そもそも登場シーンから強引すぎるのが駄目ですよ。


あと、バンクス家の子ども達もちょっと出番が弱いかなぁ。また、前作の男前で物語の中心人物バートが、歌もダンスもビジュアルも微妙なジャックというキャラになってたというのも微妙でした。うーん、前作が美化されすぎているのかなぁ。。。


4.結局どうしたら楽しめる?

前作は観ておいたほうが良いです!今作の中に所々前作の印象的な場面が出てきます。また、バンクス家のお隣に住む提督なんて前作観てないと意味不明でしょう。あとはストーリーを一切意識せずダンス、ミュージカル、歌声をただ楽しむ、そう意識することが大切です。ストーリーを楽しもうと思ってはいけません。



やっぱり名作は名作のまま残しておくほうが良いのかもしれませんね。まぁ、この映画を観て前作を観てくれる人が多くなれば良いなぁって思います。そんな壮大な宣伝のためのリターンズ、そこそこオススメです。



メリー・ポピンズって「普段は雲の上で暮らしている魔法使い」という設定なんだけど、リターンズから観始めた人は唐突に空から現れる変な人ってイメージにしかならないから、せめて始めのシーンでメリー・ポピンズってどんな人なのか説明すべきでしたね。


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【映】がっこうぐらし! ~実写がどうこうと言うよりも、純粋に面白くなかった~

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「可愛い女の子の萌的描写」と「ゾンビと破壊と極限状態」という萌と対極にある描写の対比がとにかく激しいこの作品をどうやって実写化するのか?それを多少楽しみにしつつ見に行ってきました。


で感想を一言で言うと「純粋に面白くなかった」です。



<目次>

1.ストーリー

原作には多少寄せてたかなぁ、という感じです。ただ、急に襲ってきた命の危険がすぐ隣に迫る非日常をどうやって生き延びるか?という極限状態の描写が案外薄かったですね。なんというか中途半端にゾンビたちに襲われる日常になったけど、中途半端に学園生活部として日常を過ごし、中途半端に部内での不和があり、中途半端に終わった感じです。


ただ良かった部分もあります。学園生活部内で和気あいあいと頑張りつつも、新しく入ったメンバーの考え方の違いで危険な目にあったと思えば女子高生らしく恋に悩み危険を招いたり、、、という緩急が効いた展開は良かったです。シチュエーションは違えど原作寄りの展開は良かったのかなぁと思います。


でも、冗長過ぎてつまらない場面が多いかなぁと感じてしまいました。演技力のせいなのかストーリー構成のせいなのかわかりませんが、もっと危機に対して積極的に対策練ったり人間関係で揉めたりしても良かったと思います。物語が一定のリズムで続くため、途中で飽きて「この映画早く終わらないかなぁ」と思ってしまったほどです。


また、最も駄目だなぁと思ったのは、急に学校のみんながゾンビ化してみんなを襲う状態になった原因は一切描かれず、救いも何もない状態で終わったところでしょうか。あまりにも唐突すぎるストーリー展開だったので説明不足感は否めません。原作がそうだからというのもわかりますが、一つの映画として考えるなら原作読んだことない人は見に来るな、と言わんばかりの内容だったのは残念でした。


2.キャラクター・配役

原作どおりかどうかはこの際無視します。全く知らない役者さんだったのですがアイドルなんでしょうか?上手くはないですね。むしろ下手。だから物語に重みが出ないし途中で冷めちゃいました。なんというか、アイドルありきで映画を作った感がしていい気分にはなれませんね。


ただ、ゾンビに襲われるシーンや逃げて戦う場面は迫力満点!緊迫したシーンの演技やゾンビたちの気持ち悪さ、動き、凶暴性は想像よりもずっと上手かったと思います。学校内に作ったバリケードの外にいるただ外を徘徊しているだけのゾンビたちが、急に校舎内に音楽が流れ音源に向かって襲ってくる凶暴さは漫画やアニメよりも迫力がありました。主人公たち4人は日常的なシーンは下手だけど、アクション系のシーンは案外上手かったと思います。

3.見どころ

結局は、主演の4人のファンならすべてのシーンが見どころだと思います。笑顔だけでなく苦悶の表情やゾンビとの格闘アクション、急に襲いかかってくるゾンビに驚く演技など結構良かった部分もありました。また、学園生活部内の4人の考え方が違ってもしっかり支え合う絆などなど、可愛い女の子たちが体を張るシーンだけでなく心の部分で魅せるシーンもそこそこ良かったのできっと楽しめるはずです。


ただ、ストーリーを重視する系の映画ファンにはオススメできません。ストーリーが弱いし意味不明です。無理やり危機的状況を作ったけど原因や結末は説明無し。さらに感動的なシーンも無理やり作って、、、というあまりにも強引なストーリー展開なので、純粋な映画ファンは途中で帰ってしまうかもしれません。


原作ファンにもオススメできません。原作漫画の方が緊迫感や次の展開への期待感は圧倒的にあります。映画は正直ストーリーがつまらないので次の展開へ期待が持てないんです。なので、原作が本当に好きで全巻集めてるって方は間違ってもこの実写映画は見ないほうが良いです。



というわけで、思ってたほど悪くはなかったけど、ストーリー展開や主人公たちの演技があまりにも駄目だったため、純粋に面白くなかったなぁ、というのが本音の感想です。私みたいに「漫画実写化反対派」だけど「レビューを書きたい」人であれば話は別ですが、ノリで見に行くと後悔すると思いますのでアイドルファン以外は見に行かないほうが良いと思います。


※ただ、どんなときでもメイクバッチリなのは流石にどうかと思う。顔のアップが出るたびに苦笑が・・・


【映】劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。~ただの総集編じゃない!~


入場者特典がティッシュ箱でした。泣いてもいいんだよ、という運営からの心遣い、素晴らしかった。TVシリーズの総集編+その後の描写という映画でしたが、涙を抑えることができませんでした。


各シーンをつなぎ合わせた内容ですが、所々に新しい「TVシリーズその後」のお話を差し込んでいくという構成だったため新鮮な気持ちで全て見ることができました。特に、新しいシーンの回想みたいな感じでTVシリーズの場面が都度出てくるので、毎回感動させられてしまいましたね。


じんたんやあなる、ぽっぽが一つのゲームを通じて過去の楽しかった思い出を取り戻すシーンや、ゆきあつのめんまへの想い、つるこの素直になれない心境の変化などなどがぎゅっと映画サイズに丁寧に詰め込まれている良作です。この映画を観つつ、気になった場面があればTVシリーズを見直すというのが良い楽しみ方だと思います。


というわけで、あの花TVシリーズを観たことがない方は作品全体像を短時間で観ながら楽しむことができ、TVシリーズを観たことがある方は作品を思い出しつつ新しいシーンを楽しめます。老若男女、作品のことを知っていても知らなくてもオススメしたい、そんな作品です。


※余談
実際にこの作品の舞台である秩父へ行って、各シーンの舞台を巡ったことがあるのですが、やっぱりどこを歩いていても感動できますね。特にキービジュアルでも描かれている橋だったり、その下にある階段など有名なシーンの聖地に立ってみるとあたかも作品内に入り込んだかのような感覚になれるところが楽しいんです。映画を観た直後に行ったのですが、街を歩いているとどこかにキャラクターが居るんじゃないかって思ったりしました。


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【映】空の境界 第三章 痛覚残留 ~主人公は間桐桜のモデル~


第一章、第二章にもたくさん血が出る描写が出てきました。高いところから落ちたり鋭利な刃物で斬られたり。そんな激しい描写と空の境界の世界観特有のやや難しい物語展開が絡み合うところが面白い作品なんだと思います。


ただ、第三章はいきなり妹の同級生が無理やり犯されているシーンから物語が始まります。そんな悲劇の少女浅上藤乃が第三章の主人公。犯されるだけでなく暴力まで振られた藤乃が目覚めた能力を使い復讐するというのが大まかなストーリー。


陵辱シーンの暗くて薄汚い場面や、浅上藤乃の「歪曲」能力によるややグロテスクな描写が続く映画なので、好き嫌いがかなり分かれる作品だと思います。不良の体を「歪曲」能力で捻じ曲げ殺すシーン、そんな不良たちを徐々に追い詰めていく描写はダークで恐ろしい。


そんな今作は、原作を読んでいてもかなり生々しいエグさが際立っている内容なので、どうやって映像化するんだろう、どうやってある程度多くの方に受け入れてもらえるアニメにするんだろうって観る前は思っていました。しかし、エグいところだけでなく最後の橋での式と藤乃の対決シーンまでしっかりと描ききってくれたのが非常に良かったですね。


一番の見所は最後の「橋」でのバトルでしょう。空間を捻じ曲げる「歪曲」の能力を直死の魔眼を使い斬っていく式。そして最後は橋までも曲げてしまうダイナミックな描写は大迫力。でも爽快感の全く無い物悲しい場面でもあります。ホント、空の境界の中でも好き嫌いが分かれる作品でしょうね。


ただ、空の境界はどちらかというと残酷な描写が比較的多い作品なので、個人的には中途半端にアニメ化してほしくないって思っていました、でも七章構成で物語をストーリーごとに分け、ダークさ、残酷さ、血…といった描写を真正面から描いてくれているので、原作ファンとしては大満足です。


ということで、ダークで残酷でグロテスクだけどとても重要な第三章、個人的にはかなりオススメです。



※ちなみに、当作の主人公浅上藤乃は『Fate/stay night』の間桐桜のモデルみたいです。確かに一見おしとやかな美人だけど淡々と追い込んでいくヤンデレさは桜に通じるものがあります。そういう見方で当作を観るのも楽しいかもしれません。


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【映】劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterfly ~丁寧すぎる描写と迫力が凄まじい~

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映画館で観るべき映画です。



<目次>

1.Fate/stay night [Heaven's Feel]第2章って?

当作は劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel]3部作の第2章。アダルトゲーム「Fate/stay night」の第3章「桜編」です。なので、第1章、第2章の内容を知っていることが前提になります。当然各キャラクターは知っているものとして話は進みますし、世界観、物語の目的などもごっそり省かれた上でのストーリーになっています。当然これらのことを知らない方は観てもなんのことやらさっぱりわからない、と思います(まぁ観ないか)。


さらに3部作の2つ目になりますので、前作(第1章)を観ていないと今回の作品は意味不明です。なぜなら前回の終わりから唐突に物語はスタートするから。個人的には余計な話が加えられていないことに大満足ですが。


2.アニメ表現について

森や城で繰り広げられる超強力な力同士の常識を超えた戦闘シーンの映像表現、破壊力の重さ、表情や建物の細部に渡る描写など完成度の高さに驚きました。ゲームをやっていたときは破壊力やダメージ感、セイバーとバーサーカーの超重量級バトルなんかは文字と画像を観ながら「想像」するしかありませんでしたが、そんな自分の想像を遥かに超えてくる凄まじい映像の力を魅せつけられました。


そんな凄まじい映像の力というのは「バトル」と「人間関係」。「バトル」はサーヴァント同士の戦闘シーン。セイバーとバーサーカー、アサシンとアーチャー、ライダーと士郎などなど、地上から空中、さらには回転し空を飛び地を切る場面転換の連続。アニメーションの底力を感じます。第1章でもすごかったんですが、今回の第2章でも思う存分映画館で楽しませていただきました。


また、「人間関係」模様についてもかなり良かったですね。桜と士郎の近いようで遠い、遠いようで密着したがる心の距離感が映像に現れていました。凛と桜の距離感も同様、精神的な部分を映像に落とし込み魅せてくる表現力には脱帽です。ゲームではここまでの表現はできない、いやゲームにはゲームの良さがあるのでなんとも言えませんが、力強い映像美を体感できる素晴らしい作品だと思います。


3.ストーリーについて

今回のストーリーは桜の取り巻く環境だけでなく桜自身が大きく変わっていく鬱屈した爽快感のあまり無いお話になっていました。サーヴァント同士の激しい戦闘も凄まじく見応えはありますが、その戦闘に至る導線が鬱展開なのでジメジメした部分をどこまで楽しめるか、で満足度は変わってくるんじゃないかなって思います。


セイバーの変貌とそれに対抗する士郎たち、間桐臓硯の暗躍と何を考えているかわからない不気味さ、慎二の小物感、桜の艶めく色気。クスッと笑える部分さえほぼ無かったのですが、原作を知っている私からすると、こういう作品が観たかったと心から言えるものになっていたと思いました。第1章では多少「笑い」の場面は会ったのですが(神父の麻婆豆腐とか)第2章ではそれは皆無。だが、桜編は中盤から後半に行くにつれてどんどんダークサイドな話になっていきますので、個人的には大満足だったりします。


それに怒涛の複雑で残酷なシーンをよくもここまで映像化したなぁというところに感動しました。原作をプレイ済みではあるんですが、これから巻き起こるさらなる残酷で激しくて気持ち悪い描写をどうやってアニメーションにしていくのか恐くもあり楽しみでもあります。


そんな残酷なシーンが最終章では多いんじゃないかって思うので映像化されてもあんまり観に行きたくないなぁとすら思っているくらいです。ただ、ここまで完成度の高いアニメーションを作ってくれたんですから観ないわけがありません。次回最終章は2020年春公開予定、最後まで楽しみたいと思っています。


4.観どころ

ちなみに今作の観どころは2つ。一つがアインツベルン城へ至る森での激しい戦闘シーン。個人的にはアーチャーとライダーのほんの少し語りあうあのシーンが感動的だなって思います。もう一つが桜と士郎、凛との切なすぎる関係描写。桜の恋心と士郎には見せたくないドロドロとした自身の中にある部分との葛藤は全編通して楽しめます。また、桜と凛との複雑な関係についても多少動きがあるので個人的には観どころだと思っています。


動の部分はとにかく激しく、静の部分は静かに重くじっくりとした表現。すばらしかった。もう一回観に行きたいなぁ。




というわけで「Heaven's Feel 第2章」はこれまでの「Fate/stay night」を観たこと(プレイしたこと)があり、さらに第1章を視聴済みの方であれば大満足できる作品だと自信を持っておすすめします!



FGOしか知らないという方はまだ観に行かないほうが良いかと思います。


↓前作(第1章)の感想です↓
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Fate/stay night [Heaven's Feel] (7) (角川コミックス・エース)

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Fate/stay night [Heaven's Feel](6) (角川コミックス・エース)

Fate/stay night [Heaven's Feel](6) (角川コミックス・エース)

【映】空の境界 第ニ章 殺人考察(前)~物語のスタート地点~


7章構成の「空の境界」、第ニ章の「殺人考察(前)」が時系列上一番初めの話になります。両儀式黒桐幹也の高校時代のお話ですね。


高校時代の式が可愛いんですよ。若干幼さを残した顔立ちもあれば真剣を用いて修行する凛々しさも観ることができます。また幹也も式のことが気になりつつも式の以上とも言える行動に目が離せなくなっていき…という展開が恐ろしくも哀しいわけで。


また、式の持つ特殊な人間性とも言うんでしょうか。それが見え隠れしつつ幹也を翻弄する場面、第2章の中でもとにかく重要だと思います。中盤辺りに出てくるこの場面を起点にどんどん物語は静かに激しく進んでいくんです。他人と距離を取ろうとする式もいれば少女のようにはしゃいで幹也を連れ回す式もいる。第1章の式とはまた違った幼くて可愛い式をご堪能ください。


といったように、高校生という多感な時代に静かに大きな事件を目の当たりにしていく二人の男女。そして大きな事件後の話が今後の章へと繋がっていく演出の面白さ、上手いなぁって感じます。演出、物語の構成など7章構成の中の一つではあるんですが、その一つの中でも絶妙な映像表現にキャラクターの心情表現は流石の一言です。


第2章は空の境界という物語をしっかり理解するための重要な章だと思います。空の境界にハマるためにも必ず観てほしい、そんな作品です。


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劇場版「空の境界」Blu-ray Disc BOX

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